【詳細発表】税理士受験資格の緩和(令和4年税制改正法案)

税理士受験資格の緩和(続報+α)

昨年の税制改正大綱で税理士法の改正に触れていました。
近年の税理士受験生の減少に歯止めをかけるために、受験資格の緩和が触れられています。
このブログでもご案内の通りです。
税理士受験資格の緩和(令和4年税制改正大綱) | バルこいブログ (barukoi-blog.com)

この度、財務省より国会提出法案(208回)がUPされています。
第208回国会における財務省関連法律 : 財務省 (mof.go.jp)

 ※1 2022年2月6日追記:新旧対照表が発表されたので、追記しています。
 ※2 2022年3月22日追記:正式に可決成立しています。
    第208回国会における財務省関連法律 : 財務省 (mof.go.jp) 
 ※3 2022年4月11日追記:国税庁HPでも、受験資格の緩和について、情報が公表されています!
    01.pdf (nta.go.jp)

  

その中で、税理士法5条で税理士の受験資格が定められています
まず、今回の改正の概要について、以下のように記載があります。

 会計学に属する科目について行う税理士試験の受験資格を不要とするとともに、大学等を卒業した者等で一定の科目を修めた者が得ることができる税理士試験の受験資格について、その対象となる科目を社会科学に属する科目(現行:法律学又は経済学)とすることとする。(税理士法第5条関係)

st040125y.pdf (mof.go.jp)

法律案を見てみましょう!

では、早速財務省HPから、税理士法5条の改正条項を見てみましょう!!

 第五条第一項中「次の」を「税理士試験(次条第一号に定める科目の試験に限る。)は、次の」に、「は、税理士試験を」を「でなければ、」に、「できる」を「できない」に改め、同項第二号及び第五号中「法律学又は経済学」を「社会科学に属する科目」に改め、同条第二項中「前項第一号」を「前項第一号イからヘまで」に、「税理士試験を受けることができる」を「同号に該当する者とみなして、同項の規定を適用する」に改め、同条第三項中「前二項の規定の適用については、第一項第一号」を「第一項第一号イからヘまで」に、「同号」を「同号イからヘまで」に、「みなす」を「みなして、前二項の規定を適用する」に改める。

st040125h.pdf (mof.go.jp)

はい、まったくこれだけ見てもわけわかりません。。。
新旧対照表が出るのはもっとあと、これを読みとかないといけません。
では、私が読みやすくしましょう!

税理士法5条を改正案で読み替えます!

税理士法5条

第五条 税理士試験(次条第一号に定める科目の試験に限る。)は、次の各号のいずれかに該当する者でなければ受けることができない。 

1項

一 次に掲げる事務又は業務に従事した期間が通算して二年以上になる者 

イ 税務官公署における事務又はその他の官公署における国税(関税、とん税、特別とん税及び特別法人事業税を除く。第二十四条、第三十六条、第四十一条の三及び第四十六条を除き、以下同じ。)若しくは地方税に関する事務 

ロ 行政機関における政令で定める会計検査、金融検査又は会社その他の団体の経理に関する行政事務 

ハ 銀行、信託会社(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第三条又は第五十三条第一項の免許を受けた者をいう。)、保険会社又は特別の法律により設立された金融業務を営む法人における政令で定める貸付けその他資金の運用(貸付先の経理についての審査を含む。)に関する事務 

ニ 法人(国又は地方公共団体の特別会計を含む。)又は事業を営む個人の会計に関する事務で政令で定めるもの 

ホ 税理士若しくは税理士法人、弁護士若しくは弁護士法人又は公認会計士若しくは監査法人の業務の補助の事務 

ヘ 弁理士、司法書士、行政書士その他の政令で定める法律上資格を有する者の業務 

二 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)の規定による大学若しくは高等専門学校を卒業した者でこれらの学校において社会科学に属する科目を修めたもの又は同法第九十一条第二項の規定により同法による大学を卒業した者と同等以上の学力があると認められた者で財務省令で定める学校において社会科学に属する科目を修めたもの 

三 司法試験に合格した者 

四 公認会計士法第八条第一項に規定する公認会計士試験の短答式による試験に合格した者又は当該試験を免除された者(当該試験の試験科目の全部について試験を免除された者を含む。) 

五 国税審議会が社会科学に属する科目に関し前三号に掲げる者と同等以上の学力を有するものと認定した者 

2項

 前項第一号イからヘまでに掲げる事務又は業務の二以上に従事した者は、これらの事務又は業務の二以上に従事した期間を通算した場合に、その期間が二年以上になるときは、同号に該当する者とみなして、同項の規定を適用する。 

3項

 第一項第一号イからヘまでに掲げる事務又は業務に類する事務又は業務として国税審議会の認定を受けた事務又は業務は、同号イからヘまでに掲げる事務又は業務とみなして、前二項の規定を適用する。 

4項

 第一項第五号及び前項に規定する国税審議会の認定の手続については、財務省令で定める。 


長々と記載しましたが、初めの(次条第一号に定める科目の試験に限る。)により、会計科目について受験資格の制限がなくなっています!
※つまり、税理士法6条の1号の科目(税法科目)は、受験制限あり。従前は2号の科目(会計科目)も受験資格ありでした。下記に参考までに第6条の条文を記載しています。
また、大学での履修を「法律学又は経済学」から「社会科学に属する科目」に変更されています(税法受験資格の一つ)

参考までに、税理士法6条について、下記に記載します(改正なし)

(試験の目的及び試験科目) 

第六条 税理士試験は、税理士となるのに必要な学識及びその応用能力を有するかどうかを判定することを目的とし、次に定める科目について行う。 

一 次に掲げる科目(イからホまでに掲げる科目にあつては、国税通則法その他の法律に定める当該科目に関連する事項を含む。以下「税法に属する科目」という。)のうち受験者の選択する三科目。ただし、イ又はロに掲げる科目のいずれか一科目は、必ず選択しなければならないものとする。 

イ 所得税法 

ロ 法人税法 

ハ 相続税法 

ニ 消費税法又は酒税法のいずれか一科目 

ホ 国税徴収法 

ヘ 地方税法のうち道府県民税(都民税を含む。)及び市町村民税(特別区民税を含む。)に関する部分又は地方税法のうち事業税に関する部分のいずれか一科目 

ト 地方税法のうち固定資産税に関する部分 

二 会計学のうち簿記論及び財務諸表論の二科目(以下「会計学に属する科目」という。) 



今後の受験生の想定パターンは?(税法科目の受験資格のない方)

今回の改正(受験資格の緩和)は、残念ながら会計科目だけです。
では、税法科目については、従前通り。。。

税法科目の受験資格は、次の通りです。

税理士 受験資格

この論点に今後ぶち当たるのは、学歴要件を満たさない方(上記法律学又は経済学は社会科学に変更)になると思われます。
では、今までのように(特に専門学校の方の簿記1級)を目指すのも、、、となり、
現実的には職歴(一般企業又は税理士事務所等で2年間の実務経験)というのが、いいのでしょうか。
そうすると、働きながら簿記、財務諸表論をうけつつ、税法科目は受験資格を得てから受験?
それはそれで順調に合格する人にはもったいない(時間がかかる)ですね。。。
せめて2年が1年になれば良いと思います。

今回の改正の感想

今回、会計科目の受験資格は緩和されましたが、緩和されて例えば簿記論や財務諸表論に合格したとしても、

税法科目の受験資格はありません。
ということは、受験生が良くしている会計科目+税法ミニ科目の組み合わせの勉強ができる人は、従前どおりなのでは、、、、と。
そうなると、どこまで+の影響があるのか、、、と思ってしまいます。

一方、法律又は経済から社会学系に拡大されたのは、まあ良かったのでは、といった感想です。
個人的には、大卒の資格も追加してもいいのでは、と思ったりしまし、そもそも制限が必要なのか、、、とも思ったりもします。
(さすがに18歳未満はちょっと、、、、って思いますので、成人が要件でもいいのかな。。。)

新旧対照表の公表

財務省のHPに新旧対照表がUPされました。
(最初っから公表してくれたらいいのに。。)

ということで、改正後の文章(5条)を紹介です。
st040125s_13.pdf (mof.go.jp)

新旧対照表 税理士法5条
新旧対照表 税理士法5条

専門学校

税理士受験は、どうしても独学は難しいです。
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次に、

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